■ まさいさん、インド国鉄に乗る トリヴァンドラム~カニャクマリ

2014年8月、インド南部のトリバンドラム
(いまはティルヴァナンタプラムと言う)に
行ったときインド最南端のカニャクマリまで
インド国鉄に乗って行くことにした
以前からインド国鉄に乗りたいと思っていたのだ
移動ルートはこんな感じ。
およそ2時間半でいけるらしい。
インド全体からみるとどんな距離なのか
地図を縮小して見ること

トリバンドラム中央駅の切符売り場
意外にもみんなちゃんと並んでる
自分で切符を買いたかったが
同行のインド人が親切にも買ってくれた

これが切符
ティルヴァナンタプラム発
カニャクマリ行 75ルピー
75ルピーといえばおよそ140円
2時間半の列車の旅がわずか140円だ
さすがインド国鉄だね
NCJ経由と記載があるが
これはNagerCoil Junctionのことだ
インド最南端近くで鉄道が
西海岸と東海岸に分岐する駅

駅のホームに入るところに
金属探知機が設置されている
爆破事件を防ぐためだろうと思うが
ここ以外にもいくらでもホームに出入り
できるのであまり意味が無いように思った

これがホームと線路だ
インド国鉄は広軌(1676mm)なので
線路の幅がすごく広く感じられる。
日本のJRは狭軌(1067mm)だから
およそ1.6倍もある
線路の上では作業員や清掃員が
普通に働いている

この人は作業員ではない
向こうのホームからこちらのホームに
線路の上を通って渡ってる一般人
まあ、列車はたまにしか来ないので
そんなに危険な行為ではない

いよいよ、我々の乗る列車がやってきた
予定時刻より30分ほど遅れて到着
機関車はすごく力強そうだ

ものすごく長い列車だ
インド国鉄の客車には基本的に
3つの等級があるが、これは2等車相当の
寝台車(Sleeper Class)だ
ほとんどの窓には鉄格子が設置されている
駅で窓から乗り降りしないように
こうなっている。
とてもインドらしい構造だ
一部の窓には鉄格子がないが
ここは非常口扱いになっている
さて、いよいよ車両に乗り込む
広軌で列車の幅も広いので
車内はとってもゆったりしている。

さていよいよ列車に乗り込んだ
中に入ってみると、そんなに乗客は多くない

客車にはいったところでいきなり驚いた
なんとパソコン充電用のコンセントがある
日本の新幹線でもコンセントが設置されてる
車両は一部しかないのに、インドの国鉄で
コンセントを見かけるとは想定外だった

車両の中ほどまで入ったところで
この二人のおじさんに声をかけられた
おじさん ハロー
まさい ハ、ハロー
おじさん ここ空いてるから座れよ
まさい あ、ありがとう
他にもいっぱい空席はあったが
せっかく声をかけてくれたので
ここに一緒にすわることにする
このお二人はなんとムンバイから
ほぼ二日間かけてやってきたそうだ
退屈していて話し相手が欲しかったんだろう
このあといろいろと楽しい話をしてくれた
いよいよ出発だ
最初はゆっくりゆっくり走り始める

ここですこしこの列車の寝台を紹介する
このSleepers Classの車両では
通路を挟んで両側に寝台がある
片方は進行方向に対して横向けに3段
もう一方は進行方向に向けて2段
だから1区画で8人分の寝台がある

こちらは進行方向に向けて横向けの寝台
昼間は寝台を使わないので
このような座席になっていて
3人ずつ、6人が座れる

そして、座席の背もたれを上にもちあげて
上からぶら下がっている紐で吊ると
真ん中の段のベッドが出現する
この構造を発見するまでに
だいぶ時間がかかったが、
気がついた時には
おお、旨くできてるな!
と思ったよ
たった2本の紐で吊ってあるだけなので
不安定そうに見えるが、乗ってみると
思ったより安定していて、揺れもない

2段目のベッドを釣ってある紐を
アップでみるとこんな感じだ
紐と言ってもしっかりした革製なので
おそらく寝ている最中に切れることはない

天井を見上げると
ところ狭しと扇風機が設置されている
これを見つけた時、一瞬ぎょっとしたが
どうやら各寝台にひとつの扇風機が
設置されているようだ
たしかに冷房が入ってない車両なので
寝るときは各自の暑さにあわせて
扇風機の強さを調節したいとのだろう
ペットボトルを入れる網が釣ってあったり
頭が窓ガラスに当たらないように
クッションがあったりして
けっこう細かいところまで気が利いている

2段目のベッドを使わない時は
吊紐をこのように収納できるようになっている。
これも単純な構造だがよく考えられている

インドの国鉄は初めて乗るので興味津々
なので列車がトリヴァンドラムを出発して
しばらくたってから車内の探検に出た
まずは前方に向かって通路を歩いてゆく

2つほど前の車両に厨房らしき場所があった
この列車はムンバイから終点の
カニャクマリまで3日ほどかけて走るので
やはり食堂車が必要
その調理場のようだ
しかし、それにしても殺風景だね(笑)

この人達が厨房のシェフのようだ
どうやら、食堂車の料理だけでなく
車内販売の料理も作ってるらしい
左の青い箱に弁当のようなのを入れて
売りに行くようだ。

3日も走り続ける長距離列車なので
当然、トイレも有る
これが車内トイレのドア
駅に停車中は使わないでください
と注意書きがある。
むかしの国鉄のトイレと同じだ
理由は・・・
言わなくてもわかるだろう

これがトイレ内部の様子
インド式のトイレだ
ベトナムで乗った統一鉄道の
トイレは洋式だったので楽に使えたが
このインド式は揺れてる時に使うのは
けっこう技量を要するような気がする

車内探検から戻って、こんどは車窓を楽しむ
まさに南国っていう風景がつづく
このインド国鉄の列車は
駅の近くでは停まってしまいそうなくらい
ゆっくり走るが、いったん田舎にでると
けっこうな速さで爽快に走る
たぶん、70~80キロくらいはでてる
開けっ放しの乗降口から
身を乗り出して前方をみると
ものすごい長さの列車が見える

しばらく走ると駅に停まった
駅の前には池があって
むこうのほうで一人沐浴をしている
どうやら女性のようだが
遠いくなので、うら若き女性なのか
おばーなのかはわからない。

窓からぼーっと外を眺めていたら
外を歩いてる人が声をかけてきた
こんな長距離列車で日本人が乗っているのが
珍しかったようで、いろいろ話してくれる
この人は近くの街で警察官をやっていて
休暇で実家のある田舎に帰る途中だとのこと
警察官だと言った時、驚いた声をあげたら
わざわざ警察手帳を出してきて見せてくれた
正真正銘のポリスだ
警察手帳の写真も撮らせてもらったが
重要な個人情報なのでここでは公開しない
ちょうどこのあたりで反対行きの列車とすれ違った
やっぱりものすごい数の客車が連結されていて
なかなか終わらない
しかもこの列車
最終部分に×マークが表示されていない

ジャングルっぽい南国の風景が終わって
こんどは水田のようは光景に変わった
日本コメとは種類はちがうが
水田の風景はとても良く似ている

トリバンドラムを出発しておよそ2時間
終点に着いたのかとおもったら違った

ここは切符に書いてあったVia NJCの
・NagerCoil Junction駅
ナーガルコーイルと読む
ここでインドの西海岸方面と東海岸方面が
分岐している。
このあとはひたすら最南端に向かう

これはナーガルコーイル駅のキオスク
色彩はインド的だが売っているものは
日本のキオスクと基本的には同じ

ナーガルコーイル駅を出発しておよそ20分
ついに到着した
・Kanniyakumari駅
インド最南端の街、カニャクマリだ
インドの田舎の駅ではホームの方向に対して
直角に駅名板が設置されている
だから、列車が乗っている人にも
いまどこの駅なのかとてもわかり易い

客車から降りて、いま乗ってきた車両を見る
行き先表示には3ヶ国語で
・Kanniyakumari ~ Mumbai
と書いてある
距離にしておよそ1,600キロ
日本で言えば青森から福岡までの距離と
ほぼ同じくらいだ

そしてインド最南端
ここから先は海ですよといった感じで
車止めが設置されている

列車を降りて待合室に入る
黄色いカレー色がベースの
とても南国の雰囲気がぷんぷんするような
待合室だ

待合室をでてさらに外に向かうと
予想外に多くの人がいる
たぶん巡礼にきた人たちが
帰りの列車の時間を待っているのだろう
ほとんどが地べたに座ったり
寝転んだりしている
そしてまた、みんなとても楽しそうだ。

駅の外にでる
駅前に商店街とか土産物屋が
並んでるのかとおもいきや
そこはなにもないだだっ広い空き地だった
駅舎はかなり立派な石造りの建物だ
空を見上げると雲はあるが
素晴らしい青色の空だ
そして、灼熱の太陽の光が降り注ぐ
トリヴァンドラムからおよそ2時間半
とうとうやってきたインド最南端の地
感慨深いねぇ
■訪問日:2014年8月
■Key Word:Thiruvananthapuram Trivandrum Nagercoil Kanniyakumari
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